太平洋戦争中に零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の後継機として計画されながら、製造されずに終戦を迎えた幻の戦闘機「烈風改」の設計図が、群馬県藤岡市出身の航空機設計者、堀越二郎氏(1903~82年)の遺品から見つかった。
戦後、連合国軍総司令部(GHQ)は航空機の開発資料の廃棄を命じていた。遺品の寄贈を受けた藤岡市の担当者は「個人的に持ち帰って保管するほど、技術者として強い思い入れがあったのだろう」と話す。
烈風改は、米軍のB29爆撃機に対抗し飛行高度1万メートル以上を想定。日本海軍が三菱重工業に発注し、堀越氏が開発を統括した。
親族が2005年、資料や手紙など遺品約千点を市に寄贈。専門家が鑑定した結果、設計図17枚が烈風改のものと確認された。製図日は1944年6月~45年7月。ゼロ戦の設計も手掛けた堀越氏は、スタジオジブリの新作アニメーション映画「風立ちぬ」(今夏公開)で主人公のモデルになっている。