「廃業も」不安・戸惑いのウナギ養殖業者たち

 日本の食文化に欠かせないニホンウナギが12日、国際自然保護連合の絶滅危惧種に指定された。
 ワシントン条約で国際取引が制限される可能性が出てきたことで、養殖業者ら関係者は不安な表情を浮かべた。
 「資源保護には賛成だが、絶滅危惧種指定は複雑な気持ちだ」。全国有数のウナギ産地・愛知県西尾市にある一色うなぎ漁業協同組合の鵜殿健治組合長(66)は戸惑いを口にした。
 近年は養殖用の稚魚・シラスウナギが不漁で、養殖をやめる業者が相次いでいた。それが、今シーズンは豊漁の見通しが伝えられると、休止していた業者も養殖を再開。活気が出てきているところだったという。
 ウナギの稚魚は海外からの輸入が多い。高知県淡水養殖漁業協同組合の北村光明組合長(69)は「輸出入が規制されると、廃業に追い込まれるかもしれない。政府は、ワシントン条約のリストに入らないように働きかけてほしい」と訴えた。

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