「復興大使」アルパカ5頭 新潟・旧山古志村から貸与

2004年の新潟県中越地震で被災した新潟県長岡市の旧山古志村から、アルパカ5頭が仙台市の「日本動物支援協会」に貸し出された。山古志では復興のシンボルとして地域住民や観光客にかわいがられており、協会は東日本大震災の被災者イベントなどに連れていき、親しんでもらう考えだ。
 アルパカはいずれも生後1~2年。青葉区芋沢にある協会の厩舎(きゅうしゃ)で、今月1日から新生活を送る。
 平日は厩舎で、休日は隣接のドッグランでくつろぐ。人の姿を見つけると、餌をもらえると思うのか愛くるしい表情で寄ってくる。
 貸し出し元は、アルパカで地域おこしに取り組む山古志アルパカ村。
 アルパカ村は中越地震から5年後の09年、米コロラド州の牧場から3頭を寄贈された。繁殖や購入で頭数を増やし、現在は60頭前後を所有する。
 被災した犬猫の無償預かりなどを手掛けてきた協会の我妻敬司代表理事(43)が3月、アルパカ村に貸与を打診。飼育方法の指導も含めた契約関係を結んだ。今後、仮設住宅の希望を募ってアルパカを連れて回る。
 アルパカの借り受けに伴い、協会はポニーもいる厩舎の見学者増を期待する。仮設暮らしなどの理由で飼い主が世話できないペットも100匹余り保護しており、我妻代表は「見学者に震災の断面を伝えたい」と語る。
 協会とアルパカ村は次の災害に備え、アルパカを相互に受け入れる協定も締結した。アルパカ村の青木勝社長は「人口減社会では地方が支え合う仕組みが必要。アルパカを幅の広い地域連携につなげたい」と話す。

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