東日本大震災で被災した宮城県石巻市は、本年度の市民意識調査結果をまとめた。「復旧復興が進んでいると感じるか」との問いに「はい」と答えた割合は約半数の52.1%で、2年前の前回調査の28.6%を大きく上回った。
進んでいる分野では、複数回答で住宅再建が81.5%と最も高く、医療体制の再構築48.3%、堤防や道路などの基盤整備44.2%と続いた。災害公営住宅が相次いで完成し、昨年9月に市立病院が再開したことなどが影響したとみられる。
一方で同じ質問に「いいえ」と答えた割合は46.2%。遅れている事業としては、堤防や道路などの基盤整備66.5%、住宅再建52.2%、産業の再生・雇用の創出36.8%などの項目が選ばれた。
調査は今回から対象年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げて実施。無作為で抽出した市内2700人に昨年9月に調査票を発送し、1029人(回収率38.1%)から回答を得た。質問は震災関連や男女共同参画、子育て支援など6項目について尋ねた。
市復興政策課の担当者は「見える形で進む分野は復興を実感してもらえている。基盤整備や産業の再生で遅れを感じている人も多く、復興事業を着実に進めたい」と話している。