「性犯罪歴なし」の確認、学習塾やスポーツクラブでも…「日本版DBS」任意で利用

子どもと接する職場で働く人に性犯罪歴がないことを確認する新たな仕組み「日本版DBS」について、こども家庭庁が、学習塾やスポーツクラブなど民間事業者の利用を可能とする方向で検討していることがわかった。利用する事業者には、国から「適合マーク」が与えられる。今秋の臨時国会にも関連法案を提出する方針だ。 【グラフ】学童保育が増える中、わいせつ行為職員は5年で44人

 DBSの創設に向け、こども家庭庁の有識者会議が6月から議論しており、9月にも案をまとめる。

 DBSでは、同庁が性犯罪歴を登録したシステムを管理し、このシステムへの照会で性犯罪歴が確認された場合は、子どもと接する業務に就けない仕組みとする。性犯罪の種別は刑法犯が中心となる見込みだ。

 DBSの利用は、保育所や幼稚園、学校、児童養護施設などに義務づける方向で検討されている。一方、塾やスポーツクラブなどの事業者は職務を定める法律がなく、義務づけが難しいとされていた。

 そのため、塾などの事業者の利用については任意での「手挙げ方式」とすることを想定する。国が審査し、一定の要件を満たした事業者にDBSの利用を認める。

 また、DBSを利用していることを示す「適合マーク」などのお墨付きを事業者に与えることも検討する。世間に信頼性をアピールできるようにし、DBSの利用を押し広げたい考えだ。

 学校以外の民間施設でも子どもの性被害が相次いでおり、子育て支援を行う認定NPO法人「フローレンス」(東京)は今月10日から、子どもと関わるすべての仕事をDBS制度の対象とするようオンラインの署名活動を始めた。署名は20日現在で、約7万筆集まっている。

 ◆日本版DBS=性犯罪歴をデータベース化したシステムを活用し、教育や保育などへの就労希望者に性犯罪歴がないことを雇用主側が確認する制度。英国のDBS「ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス(前歴開示・前歴者就業制限機構)」などを参考に検討が進められている。

タイトルとURLをコピーしました