「悪魔のおにぎり」が20年無敗のツナマヨを抜いた!

「単日ではありますが、『シーチキンマヨネーズ』の販売数を抜きました。(同商品は)少なくともこの20年は一度も首位を譲ったことのない不動の1位だったので、ローソンにおけるおにぎりの歴史を塗り替えた商品となりました」

広報担当者は興奮気味にこう説明した。

ローソンが10月16日に発売した「悪魔のおにぎり」(110円、税込、以下同)が売れている。発売から13日間で販売数が265万個を突破。これまで、同社で最も売れていたおにぎりである「シーチキンマヨネーズ」(116円、以下「ツナマヨ」)を単日ベースで抜いたというのだ。

悪魔のおにぎりは、白だしで炊いたコメに「天かす」「青のり」「天つゆ」を混ぜ込んで握ったものだ。ローソンが「やみつき注意、悪魔のような誘惑」「おいしすぎてついつい食べ過ぎてしまう」というキャッチコピーで売り出したところ、大ヒット商品となった。SNS上では、消費者が同商品に独自のアレンジを加えた料理の画像をアップするなど、大いに盛り上がりを見せている。ネット上では「買いたいけどお店になかった」などの声もあった。

●実際に家族で食べてみた

記者が10月29日の午後6時過ぎに、東京都千代田区のビジネス街にあるローソンに立ち寄ったところ、悪魔のおにぎりが売り切れていることが確認できた。店員は「毎日入荷しているのですが、人気なのでなくなってしまいました」と説明した。ただ、住宅街に近い杉並区のローソン2店舗では悪魔のおにぎりが販売されており、品薄状態は解消に向かっているのではないかと思われた。

購入した悪魔のおにぎりを実際に食べてみた。口の中に入れると、天かすと青のりのにおいが広がり、一気に食べられそうに感じた。この点は確かに「やみつき」といえるかもしれない。3歳になる長男にも食べさせてみたところ、夕食で出されていたおにぎりを無視して、悪魔のおにぎりを一心不乱に食べ始めた。ツナマヨとどちらがおいしいかと尋ねたところ「悪魔のおにぎりのほうがおいしい」と話していた。小さい子どもにも受け入れられる味のようだ。

●コンビニの閉塞感を打ち破れるか

コンビニ業界全体の課題として、客数の伸び悩みがある。コンビニはもう飽和状態にあるという指摘もあるほどだ。

「悪魔のおにぎり」がヒットした要因の1つは、SNSで取り上げられたことで顧客の来店動機につながったことだ。来店してもらえば、飲料や菓子などのついで買いが見込める。マーケティングを工夫すれば、飽和状態のコンビニでも客をまだまだ呼び寄せる余地があると思わせるのが「悪魔のおにぎり」だった。

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