復興庁は27日、東京電力福島第1原発事故に伴う全町避難が唯一続く福島県双葉町の住民意向調査結果をまとめた。「戻りたい」との回答は10.5%で、前回調査(2018年10月)比で0.3ポイント減。来年3月4日にJR常磐線双葉駅周辺など一部地域の避難指示が初めて解除されるが、帰還意思を持つ住民の減少に歯止めはかかっていない。
帰還の意向を尋ねた設問で、「戻らないと決めた」は2.3ポイント増の63.8%、「判断がつかない」は1.2ポイント減の24.4%。年代別で30代の「戻りたい」は6.2%にとどまった。復興庁の担当者は「戻りたい方が全体で1割は厳しい状況だ」と述べた。
判断がつかないと答えた人に帰還を判断するために必要なこと(複数回答)を問うと、「医療・介護福祉施設の再開や新設」(40.5%)が最多。「住宅の修繕や建て替え、住宅確保への支援」(35.5%)「商業施設の再開や新設」(27.9%)「除染対策」(16.7%)と続いた。
双葉駅の利用再開など立ち入り規制の緩和後に町内を訪問する意向を尋ねると、「頻度を増やしたい」は32.6%、「頻度を増やす考えはない」が27.7%、「分からない」が34.9%だった。
調査は復興庁と県、町が共同で9〜10月に実施した。対象は全3057世帯で回答率は45.8%。