韓国「反日運動」の落日
韓国の主要紙、朝鮮日報と中央日報は韓国における反日運動の落日を印象付ける記事を掲載している。
朝鮮日報は「『何が何でも反日』にNO・・・韓国で興行不振続く抗日映画」と題する記事を掲載している。
中央日報は、「[朝鮮半島平和ウォッチ]真の独立を拒む対日被害者意識」と題する、高麗大学政治外交学科・朴鴻圭(パク・ホンギュ)教授の寄稿を掲載している。
文在寅の「反日運動」は落日を迎えている Photo/gettyimages© 現代ビジネス
これまで、The First Slum Dunk の興行成績が好調であるという、日本に親しみを示す韓国国民の動向を報じる記事は多かったが、反日が時代遅れだ、いつまでも反日にとらわれるべきでない、とする記事が出回ったのは新しい傾向である。
筆者はこれまで、韓国において日本に対する好感を抱く人々が増えたことから、積極的に反日を唱える人は減ってきたとコメントしてきた。その一方で積極的に反日を唱える人を批判できないのが韓国の反日運動の原動力になってきたとも述べた。
今後、反日が批判の対象になっていけば、元慰安婦や元朝鮮半島出身労働者(いわゆる「元徴用工」)問題などで日本を一方的に非難し、いつまでも日本の謝罪にこだわる動きに変化が起きるかもしれない。
これまで日本は、朝鮮半島の統治時代に関連して再三謝罪してきたが、韓国でこれを受け入れない人々がいたため、いつまでも謝罪を要求する声が絶えなかった。
日韓関係が良くなるためには日本に好感を抱く層が増えると同時に、反日や嫌韓を煽る人々を抑える必要がある。少しずつではあるがその方向に向かっているのかも知れない。
韓国人の40%が日本に好感
日本の公益財団法人・新聞通信調査会が18日、昨年11-12月に行った調査結果を発表した。これによると日本に好感と関心を持つという韓国人の割合が目に見えて高くなったという。
日本に対し「好感が持てる」と回答した韓国人の割合は前回2021年11-12月の調査に比べ8.7ポイント高い39.9%だった。
これまで、日本に好感が持てるかどうかの調査を行えば70-80%の人が好感を持てないと答えるのが通例だった。韓国には、国民感情として日本に好感が持てると答えるのを躊躇する雰囲気があった。
韓国での対日好感度上昇について、調査担当者は時事通信の取材に「訪日客の増加や(韓国で)尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足により日韓関係修復の兆しが出てきたことを理由に挙げた。
政権交代は、韓国を変えた…Photo/gettyimages© 現代ビジネス
韓国人の対日好感度を象徴するのが、最近の例では訪日韓国客と日本のアニメ映画の人気である。
では、「反日運動」は本当に消え去ってしまったのだろうか。
さらに後編記事『韓国で「反日映画」に閑古鳥が鳴いている・・・文在寅の「反日強要」の現実と、国民の「反日疲れ」の意外すぎる真実』では、韓国の反日が「時代遅れ」となりつつある現実と、一方で韓国社会に「反日」が染みついた理由を詳細に見ていこう。