国際通貨基金(IMF)は29日、「アベノミクスの1年目」をテーマに東京都内でセミナーを開いた。講演したアジア太平洋局のアヌープ・シン局長は、大胆な金融緩和と機動的な財政出動、成長戦略という「三本の矢」で、日本の株式市場などに多くの海外資金が流入するなど「日本が世界の経済地図の中心にきた」と、政策を高く評価した。
安倍首相が、来年4月に消費税率を8%に引き上げることを決めたことについては「財政の機動性確保に向けた第一歩」と歓迎した。ただ、先進国で最悪の水準にある日本の財政状況については「さらなる改革が必要」と改善を求めた。
一方、諸外国に比べ高い水準にある日本の法人実効税率の引き下げについては「成長への寄与度と、その裏にある(税収減という)財政負担も天秤にかけ考える必要がある」と述べた。