スーパー大手のイトーヨーカ堂がプライベートブランド(PB)の衣料品で、縫製を日本で行う「メード・イン・ジャパン」商品を強化することが分かった。15日に社長に就任した戸井和久氏が26日までに、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じて明らかにした。日本の高い縫製技術を生かし、高付加価値商品として消費者にアピール。現在の2倍以上となる100億円規模の売り上げを目指す。
衣料品は人件費の安い中国や東南アジアでの製造が中心だが、ヨーカ堂は海外で製造した生地を国内で縫製する商品を増やす。海外で縫製する場合に比べ割高になるが「上質を求める消費者に受け入れられる」と判断した。
戸井氏は衣料事業部長として商品のSPA(製造小売り)化を進めるなど、同社の衣料品事業の再建に尽力。日本製の高付加価値商品の拡充により、カジュアル衣料の「ユニクロ」など専門店に流れた消費者を奪い返す狙いだ。
インターネットを通じて食品などを宅配するネットスーパー事業では来春にも東京23区内に大型の物流拠点を整備する。これまでは注文を受けた店舗で商品の箱詰めや配送を行っていたが、拠点の整備で配送エリアや配送便数を拡大する。
「店頭で選んだ商品をネットで購入する」といった新たな利用法も提案し、450億円規模のネットスーパー事業の売上高を17年度に1000億円に拡大する。
消費税率引き上げをめぐっては日用品を中心に「4月の売上高は1割程度落ち込んだ」というが、5月は回復基調。「6月には前年並みに回復する」との見通しを示した。