「日根牛の大クリ」跡継ぎ接ぎ木で育成

宮城県登米市登米町日根牛(ひねうし)地区にある県指定天然記念物のクリ巨木の後継苗木が、国立研究開発法人「森林総合研究所林木育種センター東北育種場」(滝沢市)から登米市に引き渡された。苗木は登米町内で育成する。
巨木は「日根牛の大クリ」として知られ、北上川左岸から約100メートル離れた個人宅敷地内にある。推定樹齢355年、高さ8メートル、直径1.8メートル。1973年に天然記念物に指定された。
近くに建設される堤防の影響で、日当たりが悪くなることなどから枯れて倒れる恐れがあり、市が2014年に育種場に後継苗木の育成を依頼した。育種場で接ぎ木を行い、苗木を育ててきた。
苗木は10本で、高さ約50センチ。最終的な植栽地が決まるまで、登米町内に仮植される。21日に育種場の関充利場長から苗木を受け取った西條利光登米総 合支所長は「育種場の努力によって苗木ができた。市民と共に育てていく」と感謝。関場長は「大きく育て、後世に残してほしい」と話した。
育種場は、枯れる恐れのある貴重な樹木を対象に後継樹を無料で増殖する「林木遺伝子銀行110番」を03年から実施。苗木完成は今回のクリが25例目となる。

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