「明日があるさ」世界と協奏 東北出身者・音楽グループの動画に反響大

新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛が続く中、関東在住の東北出身者によるアマチュア金管アンサンブルグループ「みちのくブラスアンサンブル(みちブラ)」が、インターネット上で世界中の音楽家とつながりセッションを繰り広げている。100人との競演が目標だという。「音楽家にとってかつてない逆境だが、一緒に演奏し音楽の楽しみを共有したい」と希望を見いだす。
 みちブラは2013年に結成され、現在は6県出身の演奏家24人が在籍。東日本大震災からの復興支援や被災記憶の風化を防ごうと東北や関東で演奏活動を続けてきたが、新型コロナの影響で石巻などで予定した演奏会もできなくなった。
 世界中の音楽家がコンサートなどを自粛せざるを得ない中、家にいてもできる活動として企画した。「世間はコロナで暗いが、気持ちは明るく前を向いていこう」との思いを込め、曲は坂本九さんの「明日があるさ」を選んだ。
 経験や国籍を問わず参加可能。みちブラのフェイスブック(FB)ページから各パートの譜面や音源をダウンロードできる。演奏した動画を投稿すると、参加者が増える度に動画が更新される。
 4月5日に始まった活動にはこれまで金管楽器や木管楽器、ピアノ、歌、手話などで37人が参加。FBで公開している動画は平均5000回再生され、反響も大きいという。
 メンバーのトランペット奏者で仙台市出身の岩崎井織さん(43)は「音楽が不要不急と捉えられるのは残念だが、新たなコミュニケーションのチャンス。震災から10年目となった今、これまで続けてきた活動を広く発信する機会にもなればいい」と話した。

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