宮城県で初の女性樹木医が誕生した。仙台市職員の比嘉牧子さん(41)=同市若林区=。難関の認定試験を初挑戦で突破し、学生時代の夢を実現した。専門知識を緑化行政の仕事に生かし、「杜の都の豊かな緑を守りたい」と張り切る。
比嘉さんは市公園課勤務で、地下鉄東西線建設工事に伴う西公園のサクラ移植を担当する。病気や害虫からの保護などに携わる。
樹木医を目指したのは、明大農学部在学中に「緑地植物植栽論」を学んだのがきかっけ。「ケヤキとソメイヨシノの区別もつかなかったが、次第に樹木の奥深さに魅了された」と振り返る。
大学卒業後、鎌倉市の樹木調査会社に就職したが、夫の転勤で1990年、仙台へ。93年、技師として市役所入りした。
樹木医の認定試験は、もうしばらくしてから挑戦することにしていたが、同僚の勧めで昨年7月に受験した。
「練習のつもりで受けたのに幸運でした」と比嘉さん。試験は518人が受験し、合格したのは122人。競争率4.3倍の難関だった。
「大学時代からの夢をどうしても実現したかった。家族の励ましもあり、勉強に打ち込むことができた」と喜ぶ。
宮城県内の樹木医は20人目。全国では比嘉さんを含め64人の女性樹木医が活躍している。
比嘉さんは「幹や葉の大きさを見て、木の『履歴』が分かるような樹木医を目指す。後輩の育成にも力を入れたい」と抱負を語る。
2007年03月02日金曜日
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