1月30日午前11時半現在、日本のTwitterトレンド上で「東京オリンピック中止」というワードがトップ10入りしている。
しかし、ハフポスト日本版が東京2020組織委員会に確認したところ「組織委員会として公表したという事実はありません」という回答だった。「東京オリンピック中止」は、情報サイトが憶測で付けた思われる見出しが拡散しているだけなので注意をして欲しい。(ハフポスト日本版・安藤健二)■ドイツの通信社は「東京オリンピック中止」とは報じていない
情報が拡散したのは、日本の情報サイト「BUZZAP!(バザップ)」が1月29日に「東京オリンピック中止か、新型肺炎対策でIOCとWHOが協議」とする記事を掲載したことがきっかけだ。
「国際オリンピック委員会(IOC)が世界保健機関(WHO)と連絡を取り合っている」とドイツのDPA通信の報道を引用し、『東京オリンピックに重大な影響が及ぶ可能性がある』と結論づける内容で、憶測をそのままタイトルに付けたと思われる。
この記事が「ニコニコニュース」や「エキサイト」に配信されたことで、注目が集まったようだ。
しかし、BUZZAP!が参考にしたというDPA通信の記事を実際に確認したところ、以下のような内容だった。
――――――
中国での(新型)コロナウイルスの感染拡大は、国際オリンピック委員会(IOC)にも関係している。「世界保健機関(WHO)とその専門家と連絡を取り合っている」と、IOCは東京大会が始まる約半年前(の1月)にDPA通信の質問に答えた。「感染症対策は、安全な大会を提供する東京2020の重要な要素となる」とした。組織委員会は感染事例を監視し、必要な対策を講じるすべての関連組織と引き続き協力していく。
――――――
すなわち、DPA通信は東京オリンピックが中止される可能性については一切報じていない。実際に報じられたのは、飽くまでIOCがWHOと連絡を取り合って新型コロナウイルスへの対策を検討しているところまでだ。■東京2020組織委員会のコメントは…
ハフポスト日本版では1月30日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)の広報担当者に取材した。東京オリンピック中止という情報の事実関係について確認したところ「組織委員会として公表したという事実はありません」という回答だった。
多分、またあの国関係の人たちが流布しているのだろう。