「東北復興の原動力に」 トヨタ東日本、発足式

 今月1日誕生したトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)は12日、発足記念式典を仙台市青葉区のウェスティンホテル仙台で開いた。トヨタ自動車の豊田章男社長が「小型車のグローバルセンターになることを願う」と語り、中部、北部九州に次ぐ国内第3の生産拠点と位置付ける東北への期待を強調した。
 豊田社長は東日本大震災に触れ「車造りを通じ東北の未来をつくりたい」「東北の復興なくして日本の復興はない。トヨタ東日本がその原動力となる」と決意を表明した。
 自動車産業の将来を「新興国をはじめとして着実に成長する」と展望し、「日本、東北で生産することで雇用が生まれ、技術開発も進む」と国内生産を堅持する姿勢をあらためて示した。
 トヨタ東日本の白根武史社長は生産を担う小型車に関して「環境意識の高まりなどで、世界中のメーカーがしのぎを削る最激戦市場」と語った。その上で「現場の技能の高さを生かし、1歩も2歩も先を行く車造りで世界をリードしたい」と意気込みを披露した。
 式典には張富士夫会長らトヨタの幹部やグループ各社トップ、東北各県の知事や経済関係者ら約280人が出席した。
 トヨタ東日本は、関東自動車工業(神奈川県横須賀市)、セントラル自動車(宮城県大衡村)、トヨタ自動車東北(同県大和町)が合併した。
 完成車工場は静岡県内を含め3カ所にあり、このうち岩手工場(岩手県金ケ崎町)は小型ハイブリッド車「アクア」、本社のある宮城大衡工場(旧セントラル)は「カローラ」などを製造。全体の年間生産能力は計約62万台で、ことしの生産は東北の2工場だけで約50万台規模に達する見込み。12月には宮城大和工場(旧トヨタ東北)に整備中のエンジン工場も本格稼働する。

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