東日本大震災で被害を受けた青森、岩手、宮城、福島の4県沿岸部を巡る「東北のお遍路」構想を検討する市民グループが25日、仙台市で初会合を開いた。会の名称を「震災巡礼東北の道を考える会」と決め、各県ごとに巡礼候補地のリストアップを急ぐことを確認した。
4県の市民グループのメンバーら約10人が出席。地域振興と震災の風化防止につながる巡礼路の在り方について意見交換した。当初は国の遊歩道整備に合わせ、青森県八戸市から福島県相馬市にかけて88カ所の札所を設ける構想だったが、地域振興の観点から各自治体に巡礼地を置き、88カ所にこだわらない方針を確認した。福島第1原発事故で警戒区域などになっている相馬市以南の地域についても「人が往来できる土地に戻ってほしい」という願いを込め、巡礼路に含めることにした。
今後は各県ごとに部会を設置し、候補地の検討に入る。呼び掛け人の「松川浦の未来を語るゼミナール実行委員会」(相馬市)の新妻香織代表は「国内外から多くの人に訪れてもらえる形にしたい」と話している。