「東北食べる通信」グッドデザイン賞金賞

 農漁業者を紹介する冊子と生産物をセットで届ける月刊情報誌「東北食べる通信」が、2014年度のグッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)の金賞を受賞した。上位2作品による決選投票の結果、最高賞の大賞は逃したが、関係者は「東日本大震災の被災地発祥の食べる通信の手法を全国に広げたい」と意気込んでいる。
 食べる通信の冊子はタブロイド判。生産者の思いや独自の技術に写真と文章で迫り、生産者本人の魅力、食べ物のおいしさを詳しく伝えることをコンセプトに据える。
 今月4日に東京都港区であった決選投票で、大手自動車部品会社の子会社が製造した医療産業ロボットに僅差で敗れた。審査委員からは「情報と食を組み合わせ、食べる行為にさらなる価値を生み出している。今後の発展が大いに期待される」との評価を受けた。
 東北食べる通信の高橋博之編集長は「1次産業は本当は格好良い仕事なんだと分かってもらえるよう、食べる通信の手法を自信を持って全国に広げたい」と話す。
 東北食べる通信は、被災地の農漁業者と都市部の消費者をつなごうと花巻市のNPO法人「東北開墾」が13年7月に創刊。同様のスタイルの冊子が東松島市や新潟市、四国で創刊されたほか、全国の約50地域・団体が準備を進めている。

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