「歩く七夕」、宮城の名所に出没 自粛の街を明るく

紙花の丸いくす玉を頭にかぶり、吹き流しのドレスを風になびかせて、てくてく歩く。杜の都仙台市の夏の風物詩「仙台七夕まつり」の飾り姿の女性たちが、市内外の観光スポットなどに出没している。その名も「会いに来る七夕飾り」。新型コロナウイルス感染拡大で催しの中止が続く中、地域を明るく盛り上げようと、フェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)で発信している。
 街歩き企画「仙台ふららん」を主催する旅行会社たびむすび(仙台市)のスタッフ吉川理香さん(47)と、仙台市のNPO法人のスタッフ高橋さやかさん(53)を中心に、仙台ふららんに関わる有志らが活動する。
 SNSでは、市内の商店街や宮城県大河原町の一目千本桜といった県内の名勝を2、3人で訪ねる様子などを写真や動画で紹介。色鮮やかな七夕飾り姿がどこかユーモラスで楽しい。
 現在5組ある衣装は高橋さんがデザイン、製作し、吉川さんも作業を手伝った。2018年、仮装が好きな高橋さんが吉川さんを誘って遠刈田温泉(宮城県蔵王町)の仮装盆踊り大会に参加した時に考案し、着用したのが最初という。

 昨夏、新型コロナの影響による仙台七夕まつりの中止を残念に思った吉川さんが高橋さんに提案し、七夕飾り姿の2人で市内の3商店街の飾りなどを紹介する動画を公開した。今年のまつりの開催は未定だが、本番に向けて盛り上げ、仙台と宮城の名所も紹介しようと活動を本格化。衣装の数も増やした。
 高橋さんは「七夕飾りを見るたびに『着ればいいのに』と思っていた。楽しみで始めたけど歓迎されることが多く、お年寄りに拝まれたこともある。自称観光大使として宮城をPRしたい」とほほ笑む。
 吉川さんは「コロナで自粛が続く世の中を明るくしたい。面白がってもらい、地域の商店街の飾りの素朴な魅力や街歩きの楽しさに興味を持つきっかけになればうれしい」と話す。
 仙台ふららんは仙台七夕まつり期間の8月6~8日、飾りを掲げる地域の商店街を「会いに行く七夕飾り」がガイドする街歩きツアーを予定している。詳細は後日、ホームページなどで公表する。

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