筆者宅は夫婦と小学生以下の子供3人の5人家族です。ある日のこと、夕食に何をつくろうかな? と思い、家族全員に「どんなメニューだったらうれしい?」と聞いたところ、全員が好きだと答えたのが「カレー」でした。
全日本カレー工業協同組合の調査(平成22年)によると、日本は、国民ひとりが1カ月あたり4皿も食べている“カレー大国”なのだそうです。
考えてみると世界には毎日、毎食のようにカレーを食べている国もありますよね。そこで我が家も「毎晩カレーだったらどうなのか?」と考えるようになり、ではやってみよう! ということになりました。今回は9/25~10/25までのひと月、毎日カレーを食べ続けた我が家に起こった変化をご紹介します。
1.使う調理機器、食器が少なくなった
皆さんは「カレーをつくる」と想像したときにどんな家事を思い浮かべますか?
私が一番に思い浮かんだのが「洗い物が面倒」でした。カレーといえば「油分でお鍋がギトギトに汚れる」とデメリットを想像したのです。
そこでカレー好きの友人に“お鍋に汚れが溜まりにくいカレー”ってどうすればいいのか? と聞いてみたところ、市販のルウを使ったいわゆる日本のカレーではなく、小麦粉を使わない「スパイスカレー」であればお鍋のギトギト汚れを感じにくい、と言うのです。
そこで、スパイスカレーを自分でつくってみることにしました。
スパイスカレーのつくり方は、「私でもスパイスカレー作れました!」という本を参考にしました。中身が漫画になっているため、夫婦はもちろん、子供たちが積極的に読み、あっという間にスパイスカレーのつくり方を覚えてくれました。
このように「家族みんなで1から学んでいく」という進め方をするのがスムーズな家事シェアなのだろうな、と思った瞬間でもありました。
さて、実際につくってみると、使う調理機器が「お鍋とおたまだけ」ということに驚きました。ルウがサラサラしているので、なるほど! たしかにお鍋の汚れもサッと取れます。さらに使う食器、も「カレー皿とスプーン」だけ。洗い物が一瞬で終わりました。
2.野菜や栄養がまとめて摂取できるようになった
毎日カレー生活を始めてからというもの、「さすがに飽きるのでは?」という質問をよく頂戴します。たしかに同じ味のカレーばかり食べていると飽きますね。
そこで筆者宅では日によってはグリーンカレーやドライカレーにしてみたり、ついには昼食のおでんの残りにカレーの素を入れて「和風カレーもどき」にもチャレンジしました。
スパイスカレーは日本で言うところのお味噌汁と似ているのでしょうか。アレンジをすることで毎日カレーを食べているのにストレスを感じることはありません。
基本的にはペースト状のカレーの素をココナッツミルクなどで溶き、さらに好きな具材を入れて煮込んでいます。
グリーンカレーにはピーマンなどのクセ強めの食材を入れるのですが、これがスパイスの力なのか、その苦味を抑えてくれるから不思議です。これなら食べられる! と子供たちもパクパク食べていました。
3.食費が大幅に減った
1カ月間カレー生活をしてみて一番びっくりしたことが節約です。
カレー生活7日目が経過したころ、週に一度の食材買い出しに行こうとしたときに冷蔵庫の中の食材があまり減っていないことに気づきました。
考えてみると、例えば豚の生姜焼きをするとなると、メイン食材が豚肉となるので一回の食事でそれなりの肉量が必要になります。
ところが、豚肉カレーの場合、あくまでもメインはカレーなのでそこまで大量に豚肉が必要になるわけじゃないのですよね。
肉の日、魚介類の日、さらに旬の野菜を加える日もあります。加えるモノによってカレーの味が変化するのも楽しいです。
カレー生活を始めてから、カレーを食べたあとの腹持ちの良さと身体の温かさ(お腹がポカポカする感じ)も実感しています。
我が家のように家族の帰宅時間が違う場合、カレーであればでき立てでなくても味があまり変わらない点もいいですね。帰宅した家族が自分で好きによそって食べることができるので、お母さんが手伝わなくても良いのです。自然と家事シェアにもつながりますね。
1カ月のカレー生活を経験した結果、我が家では今、夫が「カレーの素づくり」にハマっています。
カレーの素次第でカレーの味が大きく変わるからです。家族みんなで今週のカレーの素をつくるのもとても楽しくておススメですよ。よかったらお試しください。
この「毎日カレー生活」の体験談、どなたかのお役に立てましたら幸いです。
■香村薫(こうむら・かおる)片づけの専門家/ライフオーガナイザー。大学卒業後、トヨタグループ会社に入社。そこで学んだトヨタメソッドを家事に応用した「トヨタ式おうち片づけ」を提案。片づけサポート業務「ミニマライフ」を起業。全国での講演活動、個人宅での片づけサポートを行う。著書に「トヨタ式おうち片づけ」「トヨタ式超ラク家事」(ともに実務教育出版)「トヨタ式家事シェア」(主婦の友社)がある。NHKをはじめTVや新聞・雑誌などメディア出演多数。
【デキる男は住まいから】は株式会社ミニマライフ代表取締役で、ライフオーガナイザーの香村薫さんが、トヨタ自動車のグループ会社で学んだメソッドを家事に応用し、ビジネスパーソンが今すぐ実践できる「家事シェア」のノウハウなどを伝授するコラムです。