「気仙沼さんま祭り」山形で4年ぶり開催 10月8日・霞城公園

不漁予報に備え準備 震災語り継ぐ機会に

 気仙沼産サンマの炭火焼き約2000匹を無料で振る舞う「気仙沼さんま祭り in山形」が10月8日、山形市の霞城公園で4年ぶりに開かれる。主催者は、近年の不漁から生サンマを確保できるかどうか気をもみつつ、東日本大震災の記憶を語り継ぐ機会にもしたいと意気込む。

 山形県内の気仙沼市出身者らでつくる「やまがた気仙沼会」が震災後の2012年に本格的に始め、毎年約2000~3000匹を用意してきた。新型コロナウイルスの感染拡大で20~22年は中止となったが、古里の復興を後押しし、来場者の防災意識を高めたいとの思いから再開を決めた。

 ただ、サンマの水揚げ量は近年低迷。気仙沼港に昨年揚がったのは2266トンと過去最低水準だった。親潮の流れが弱まるなどしてサンマが南下しにくくなったのが一因とされる。今年8~12月の来遊量についても水産研究・教育機構は「低水準」と予報している。

 気仙沼会はサンマの水揚げ量が少ない場合に備え、昨年産の冷凍サンマを使うことも想定し、準備を進める。協賛金はサンマ価格や会場設営費などの高騰を見据え、例年より数十万円多い250万円を目標に協力を呼びかける。

 熊谷功二副会長は「来場者に食べて喜んでもらい、気仙沼のことを思い浮かべてもらえる場にしたい」と語る。

 祭りは午前10時半~午後2時。気仙沼市の被災当時の状況と、その後の歩みを伝える写真を展示する。連絡先は熊谷副会長090(7900)8428。

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