「江戸テーマパーク」「道ナカ」 おもしろSA、PAが続々

高速道路会社がサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)で個性を競い合っている。東日本高速道路は10日、江戸をコンセプトにしたテーマパーク型のPAを12月に開業すると発表。中日本高速道路が伊勢丹を誘致するなど、商業施設化も進んでいる。こうした施設を「ドライブの目的地にしてもらう」(東日本高速)ことで、新たな利用者を呼び込む。
【フォト】海老名SAでは交通安全イベントも
 東日本高速は、約10億円をかけて東北自動車道羽生PA(埼玉県羽生市、上り線)を改修。池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」の世界観を再現したテーマパーク型PA「鬼平江戸処」として開業する。江戸後期の町並みを忠実に再現し宝暦10(1760)年創業の老舗料理屋「玉ひで」(東京都中央区)などが出店。東日本高速の広瀬博社長は「年間280万人の利用者を300万人以上に増やす」と語る。
 テーマパーク型は、小説「星の王子さま」がコンセプトの関越自動車道寄居PA(埼玉県深谷市、上り線)に次いで2カ所目。ほかにも「駅ナカ」ならぬ「道ナカ」として、食料品店などが集まった商業施設「パサール」を増やし、来年1月には守谷SA(茨城県守谷市、上り線)で4カ所目を開業する。
 一方、中日本高速も、海老名SA(神奈川県海老名市、上り線)で伊勢丹が5月末に9月11日までの期間限定で開業し、生活用品などの販売に乗り出した。西日本高速道路も、4月に名神高速道路大津SA(滋賀県大津市、下り線)で、地域の特産物も扱う商業施設「パヴァリエびわ湖大津」を開業した。
 高速料金収入は建設時の借金返済などに充てられるため、企業規模拡大にはもう一方の柱であるSAやPAの収益増は欠かせない。

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