「消えた郵便貯金」457億円、昨年度 バブル期の高金利影響で激増

満期から約20年が過ぎた定額貯金など、貯金者が権利を失った郵政民営化前の郵便貯金が、2021年度に457億円と過去最高になったことがわかった。

 民営化後に消滅した貯金額の累計は約2千億円で、今後も積み上がっていく見込みだ。

 民営化前の07年9月までに預けた貯金のうち、定額貯金などには旧郵便貯金法が適用され、満期から20年2カ月が経過すると払い戻しの権利が消滅する。満期が過ぎて払い戻されていない貯金の残高は、今年3月末時点で5916億円。10年満期の定額貯金が多く、権利消滅は2037年まで続く見通しだ。民営化前の通常貯金はゆうちょ銀行に引き継がれており、権利が消えることはない。

 民営化前の貯金を管理する郵政管理・支援機構によると、消滅額は16~19年度に30億~80億円台だったのが、20年度は369億円と激増。定額貯金の金利が90~91年に一時年6%台と高水準だった影響で、21年度も民営化後で最高額になった。権利が消滅した貯金の多くは、のちに国庫へ納付される。

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