中国でも多くのファンを抱える日本のテレビドラマ「深夜食堂」。ご存知、深夜しか営業していない東京・新宿の小さな“めしや”を舞台に、マスターと常連客の心温まる交流を描いたマンガ「深夜食堂」(作:安倍夜郎)のドラマ版だが、先日、新作「深夜食堂3」の放映がついに始まった。そうした中、今回は日本だけでなく、中国の動画サイトでも“同時放映”となり、中国のファンを大いに喜ばせている。
中国メディア鳳凰福建などによると、今回「深夜食堂3」をネット配信するのは中国大手動画サイトの「土豆網」。同サイトでは前2作(「深夜食堂」「深夜食堂2」)もネット配信しているが、それらはすべて日本の放映の後追い配信で、今回の“同時放映”は画期的な試みとなった。去る10月19日深夜には日本のMBSで第1話が放映されたが、同時刻に「土豆網」にも第1話の映像がアップロードされ、中国の「深夜食堂」ファンにとっては感動的な瞬間になったという。実際、同サイト上ではファンの喜びのコメントを多数確認できる。
中国の動画サイトと言うと、日本人の間ではまず“違法アップロード”という言葉が頭に浮かぶと思うが、最近は著作権問題の取り締まり強化などから、そうした行為は減少しつつある。一方、各動画サイトは豊富な資金力で配信権を正式に買い取り、“正々堂々”と配信するケースも増えてきた。これはコンテンツビジネスを海外でも推し進めようとしている日本政府および関連企業にとっては喜ばしい傾向かもしれない。
ただ、今回の「深夜食堂3」のようなケースはまだまだ稀。いろいろと乗り越えなければならない問題が山積みなのも事実だ。映画、ドラマ、アニメ問わず、中国大陸ではいまだ海外のコンテンツを上映・放映・配信することに様々な制限があるように、内容などによっては当局から許可が下りず、結局は組織・個人による“違法アップロード”や“海賊版DVD”に落ち着いてしまうケースも多い。今後はコンテンツを有する当事者同士だけではなく、日中両国政府を巻き込んだ対策がより重要となってくるのは間違いない。
ナリナリドットコム