「湘南封鎖を」11市町の首長、知事に要望書 宣言前より6割増で住民不安

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために外出の自粛が要請されている中、神奈川・湘南エリアなどの海岸部には週末を中心に多くの人が訪れている。神奈川県鎌倉市や藤沢市など11市町の首長は22日、海岸エリアや道路の封鎖を求める要望書を黒岩祐治知事に連名で提出した。黒岩氏は同日の定例記者会見で「神奈川には、湘南の海には来ないでいただきたい。観光地には行かないで我慢してもらいたい」と呼びかけた。

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 横須賀市や鎌倉市など海岸部の自治体は流入を防ごうと、公営駐車場を閉鎖するなどの対策を取っている。しかし、県の調査によると日曜日だった19日午後、鵠沼海岸駅(藤沢市)周辺で緊急事態宣言前より人の流れは約6割増えるなど人の流入は続き、地域住民からは感染拡大を心配する不安の声が上がっているという。

 こうした状況を踏まえ、要望書は来訪者が訪れる海岸エリアの封鎖または利用制限▽海岸周辺の主要国県道の通行止めまたは制限▽県警による違法駐車の取り締まりの徹底――の3点を求めた。この日は鎌倉市や藤沢市、逗子市、葉山町の4自治体の首長が県庁を訪れ、黒岩氏に対して、大型連休開始に向けた早急な対策の検討を求めた。

 鎌倉市の松尾崇市長は「自粛だけでは抑えることができない現実がある。具体的な人の行動を止めていく手立てを打っていかないと市民の命、健康は守れない」と危機感をあらわにした。【木下翔太郎】

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