木の枝に擬態する独特の生態で知られる昆虫「ナナフシモドキ」の珍しいオスの個体を、宮城県大河原町在住の昆虫愛好家、岡崎雄博さん(57)が町内の雑木林で偶然発見した。
ナナフシドキは交尾がなくてもメスだけで卵を産んで繁殖する「単為生殖」を行う。基本的にほぼメスで、オスは全国で十数例しか見つかっていない「激レアもの」だという。
岡崎さんは10日午前8時ごろ、町内で10~12日にあった「世界・日本の大昆虫展」(大河原町教委主催)に展示するナナフシモドキを探そうと、同町金ケ瀬地区にある大高山神社近くの山林を訪れた。すぐに体長約10センチの成虫を見つけ、生け捕りにした。
「普通のエダナナフシかと思ったが、よく見たら触角が短いナナフシモドキ。しかもメスより一回り小さく、緑色の交接器(交尾・交接に関わる器官)と褐色の胴体に白線が入るオスの特徴があってびっくりした」と振り返る。
ナナフシモドキは、植物の種子そっくりな茶色の硬い殻に包まれた卵を産む。岡崎さんは今後、捕獲した個体とメスと交配させてオスの出現率が上がるかどうかを調べる予定だ。町の依頼で昆虫に関する講師も務めており、連絡先は町生涯学習課0224(53)2758。