「無電柱化」29年度まで10路線 仙台市、延長5キロで推進

 仙台市は、市が管理する道路上の電柱や電線を地下に移設する「無電柱化」の推進計画を策定した。計画期間は2029年度までの10年間。整備効果が高い10路線を選定し、過去10年の実績8.7キロを上回る約10キロの地下化に取り組む。
 基本方針には無電柱化を優先的に進める道路の種類を示した。緊急輸送道路や骨格幹線道路のほか、通学路などバリアフリーに配慮する道路、多くの来訪者が集まる道路、歴史・文化的価値がある道路を挙げた。
 整備計画には、20年度から10年間に無電柱化する10路線の具体的な区間を明示した。県道仙台泉線の青葉区昭和町-堤町3丁目間、市道元寺小路福室線の宮城野区銀杏町-南目館間など。区間の総延長は約5キロだが、道路の両側を無電柱化すると約10キロになる。
 市は電線共同溝の本体整備費、電線管理者は地上機器やケーブルの設置費をそれぞれ負担する。
 10路線以外でも都心再構築プロジェクトなどに関連し、道路の再整備が行われる際は無電柱化を検討する。緊急輸送道路や避難道路では道路法に基づき、電柱の新設を原則禁止と決め、20年度中に運用を始める。
 道路上の電柱は景観を損ねるだけでなく、地震や台風などの災害時に倒壊の危険がある。市内では1985年ごろJR仙台駅周辺で無電柱化が始まり、都市計画道路整備や土地区画整理事業に合わせて広がった。
 2016年に無電柱化推進法が施行され、市は19年3月に基本方針を取りまとめ、20年3月末に推進計画を策定した。

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