「本物」「本当」が出てきたら要注意
詭弁とは、本当は誤っているにもかかわらず、自分の意見を承認させたり、相手を論破したりすることを目的として、あたかも正しいかのように見せかけた議論のことである。
その典型的なパターンは、議論の中で自分に都合がよくなるような言葉づかいをする、というものだ。
政治家の発言や国会での官僚答弁には、そうした詭弁の実例がしばしば見られる。
故意の場合だけでなく、自分自身では気づかずにその種の誤りに陥ってしまっているケースも詭弁と言われる。実際、日常生活の場面でも、本人には悪気はないのかもしれないけれども、図らずも詭弁を弄して相手を困らせてしまうという状況が生じうる。
今回は、言葉づかいにまつわる詭弁のひとつを解説しよう。結論を先取りして述べておけば、「本当」「本物」といった言葉が出てきたときには要注意、というのが今回の教訓だ。