「環境権」確立への道筋探る 仙台で会議 専門家ら「議論活発化を」

環境権の確立をテーマとする「第38回日本環境会議仙台大会」が9日、仙台市青葉区の東北大片平さくらホールで始まった。研究者や弁護士らでつくる同会議(寺西俊一理事長)が主催し、10日まで。

 寺西氏は開会に先立ち、「1993年に環境基本法が制定されてから、環境政策は前進していない。法改正の議論を活発化させることが重要」と訴えた。

 環境権が国内法で明文化されていない弊害や海外の事例などについて、専門家6人が報告。長谷川公一尚絅学院大特任教授(環境社会学)は、自らが原告団長として携わった宮城野区の石炭火力発電所仙台パワーステーション差し止め訴訟を例に挙げた。

 原告側は温室効果ガスの増大による健康被害や生物に与える悪影響の推計データを示したが争点とならなかった。「人格権に基づいて、個人の権利侵害との因果関係を立証することは限界がある。環境権があれば、立証せずとも権利を主張できる」と指摘した。

 会議は対面とオンラインで開き、会員ら合わせて約100人が参加した。

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