日本で最も男女平等が進んでいるのは鳥取県で、埼玉県が最下位、東北では岩手県が11位と最も高く、青森県が42位で最低―。東北大大学院経済学研究科の吉田浩教授(公共経済学)の研究グループが、男女共同参画の先進国ノルウェーが採用している男女平等度指標を基に推計したところ、このような順位となった。
ノルウェー統計局が自治体ごとの男女平等度を測る指標を用いた。女性の短大・大学卒業者率、労働参加率、給与額、県議会議員の割合など9項目からなり、各項目の平等度を点数化して平均値で順位付けした。
その結果、1位の鳥取は働く女性の割合など4項目で最高評価を得た。最下位の埼玉は男性と比べた給与水準など4項目で最低だった。
東北各県の順位は表の通り。トップの岩手は女性の労働参加率が高く、最下位に甘んじた青森は女性議員の少なさが顕著だった。宮城は女性の大学・短大卒業者率や給与額は東北で最も高かったものの、労働参加率が低かった。吉田教授は「転勤族が多く、専業主婦の割合が高いことも影響しているのではないか」とみている。
全体では、関西など西日本の府県で「平等度」が高く、東北・北海道は低い傾向となった。「カカア天下」といわれる群馬県は30位だった。
吉田教授は「数値がすべてではないが、施策を的確に行うには、達成度を定量的に把握する手法を開発する必要がある」と指摘。ノルウェーでは婚姻届を出していないカップルも夫婦と同等の権利が認められるなど社会背景も異なり、「今後、日本の実情に合わせた調査項目を加え、日本版の推計手法を作り上げたい」と話している。