「登米スレート」の歴史や魅力体験 地元児童らがコースター作り挑戦

「登米(とよま)スレート」の歴史や魅力を子どもたちに伝えようと、宮城県登米市登米(とよま)小は1日、天然スレートを使ったコースター作りの体験学習会を開いた。

 6年生の児童と祖父母ら約60人が参加。天然スレート職人の佐々木信平さん(75)=石巻市=を講師に招き、国内の天然スレートは旧登米町を含む北上山地でしか産出されないことや、登米スレートがJR東京駅の駅舎屋根に使われていることなどを学んだ。

 制作体験では、佐々木さんが登米地区の古民家から集めた登米スレートに、児童が丸やハートなどの形をデザインし、押し切りと呼ばれる専用の道具で削り、紙やすりで表面を磨いてコースターに仕上げた。

 安部樹生君(12)は「登米スレートが東京駅の屋根に使われていると初めて知った。誇りに思う」と話し、山崎希実さんは(12)は「スレートは予想以上にずっしりと重かった。アドバイスを聞いて、うまく削ることができた」と語った。

 旧登米町の天然スレート採取は1994年に終了した。国産の天然スレートは輸入品や人工品に押されているほか、東日本大震災で石巻市雄勝町の加工工場が閉鎖した影響などもあり採取が中断しているという。

 佐々木さんは「スレートの加工技術を後世に伝えたい。学習会で興味を持ってくれる子どもがいれば大変うれしい」と期待した。

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