水槽の中で蠢いているのは、白いですがウニです。先週、宮城県南三陸町で水揚げされた殻からトゲまですべて真っ白なウニ。この美しく涼しげな姿、8月中にも水族館で見られるかもしれません。
宮城県南三陸町役場内の水槽で元気に動きまわっているのは、通常は全身黒いキタムラサキウニです。殻からとげ、くねくねと動く「管足」と呼ばれる呼吸や移動のための器官まで、すべてが真っ白。なぜ真っ白なのでしょうか?
白い海洋生物は、漁師たちの間で「縁起がよい」とされていますが、こうして大きく育つのは、たいへん珍しいことです。
この白いウニを見つけたのは、南三陸町歌津の小学6年生、阿部大斗君です。7月25日、親戚の漁師とともに船から箱メガネで海底を覗いたとき発見しました。大斗君が暮らすこの地区も震災で大きな被害を受けましたが、浜育ちの大斗君は、自然豊かなこの海が大好きだと話します。安全な水槽の中で大好きなコンブを食べながら元気に動き回る白いウニ。南三陸町は、大斗君の思いに応え、「白いウニ」を8月7日に仙台の「うみの杜水族館」に寄贈するということです。