破産者の氏名や住所を地図上に表示する「破産者マップ」というウェブサイトが登場し、物議を醸している。
「破産者マップ」は、破産者の住所をGoogleマップ上に表示したもの。地図上には所狭しと破産者を示す赤いピンが立てられ、クリックすると氏名や裁判所、事件番号などの詳細情報が表示される。掲載されているデータは、官報で公示された破産者の情報をもとにしているという。18日現在、「破産者マップ」は地図部分が表示されないエラーが発生している。
官報には掲載されるものの、知られたくない情報が可視化されていることにネットでは批判の声も多数。「官報が公示しているからといって問題ないのか」「破産者側からすると一生残るのはきつい」といったコメントや、「破産者マップ見たら隣の住人が破産者だった」「知り合いが載っててびっくりした」といった声が寄せられている。さらに、掲載情報の削除を求めるための申請フォームでは、「破産に至った事情」「破産後の生活」「申請者の住所・生年月日・電話番号・本人確認資料」などを要求。「明らかに個人情報収集目的だし、いかにも闇金が欲しがりそうな情報」といった批判も寄せられている。
「破産者マップ」をめぐっては、集団訴訟を呼びかける動きも始まっている。ウェブサイト「enjin」に掲載された「破産者マップに関する集団訴訟」によると、「破産者マップ」は「破産者を特定し、間接的(地域での風評)、直接的(個人情報の漏洩)な嫌がらせとなります。また、再起を図る個人の権利を害し、その親族家族にとっても『いじめ』を誘発する要因」になるとして、損害賠償などを求めるとしている。集団訴訟を呼びかけるこのサイトにも、「職場、知り合いにバレました。婚約者にもこんな形で知られ修羅場」「マップが公になり、中学生の息子にも事実を話しましたが、学校に行けないと情緒が不安定に」といった声が寄せられている。