「社会正義」の実現手段が、週刊誌で良いのか?

財務省事務次官のセクハラ問題については、被害者である記者が在籍しているテレビ朝日が緊急記者会見を行い、

・テレ朝記者がセクハラ被害を受けたことは事実
・当該記者は上司にセクハラ被害とそれを報道すべき旨を進言したが、上司が却下した
やむを得ず当該記者は、その情報と録音を週刊誌に持ち込んだ

という衝撃的な事実が明らかになりました。

事務次官のセクハラ行為が許されないのは、当然の前提として。

報道・ジャーナリズムによって社会正義を実現するはずの大手メディアが、自己の組織内ではそれを実行することができず、やむなく当事者は週刊誌に持ち込んで社会正義を執行した。

これ、想像以上に根深い禍根を残すのではないかと直感的に思うのです。

政治学者の三浦瑠麗さんが、私の懸念に近いことを言葉にしてくれています。

こうした事件や情報があったときに、その持ち込み先が週刊誌しかないというのは、極めて不安定で脆弱な社会であるように思えてなりません。

だからといって、今すぐ対案を持ち合わせているわけではないので、なんとも歯切れが悪いことしか言えないのですが…。

法に訴えるでもなく、組織のしかるべき部門に依るのでもなく、週刊誌へと頼ってしまう。

そうさせないためには、法律や組織コンプライアンスなどの「正規ルート」の存在を地道に強化していくしかないのでしょう。

今回は、マスコミ・報道機関のあり方そのものについても大いなる示唆を投げかける事案となりそうです。

※おときた駿ブログより転載

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 34歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員2期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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