「福祉の森」構想具体化 中核の特養ホーム来春開業 蔵王

宮城県蔵王町遠刈田温泉の温泉付き別荘地「蔵王山水苑」を拠点に、周辺地域で高齢者向け福祉サービスを提供する「蔵王福祉の森」構想が動きだした。来年4月に中核施設の特別養護老人ホームが開業する予定。高齢者福祉の充実を通じ、雇用創出や地域活性化を目指す。
 蔵王山水苑の販売管理を手掛ける不動産業のNコーポレーション(東京)と、蔵王町の医療法人社団「リラの会」が中心となり実行委員会を結成。高齢者が安心して暮らせる街づくりに向け、構想策定を進めてきた。
 計画中の特養ホームは30床で、蔵王山水苑内の敷地約6600平方メートルに建設する予定。8月に着工し、来年2月に完成する見通し。
 特養ホームが中心となって、リラの会が山水苑内で運営する介護老人保健施設などと連携し、訪問介護や訪問看護、24時間見守りサービスなどを柱とした地域包括ケアシステムの構築を目指す。
 将来的には温泉を活用した健康増進施設や、バリアフリーの高齢者向け住宅などを整備する構想。これにより、100人程度の新規雇用を見込む。定住者の増加を想定、商業施設や保育所の開設も視野に入れる。
 総事業費は約20億円に上る見込み。実行委は「別荘の定住者が高齢化し、まちづくりが新たな段階に差し掛かっている。誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めるとともに、新たな産業を興し、若者にも根付いてほしい」と話している。

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