「秋保ワイン」香り豊か 宮城の地元産復活

仙台市太白区秋保町の秋保葡萄(ぶどう)園が自家製ブドウによるワインの商品化に成功し、今月、「秋保ワイン」と題して販売を始めた。宮城県山元町に唯一あったワイナリーが東日本大震災で被災し廃業して以来、東北で地元ワインがないのは宮城だけだったが、久々に復活する。

同園は南陽市の業者に醸造を依頼し、やや辛口の赤(アルコール度数12%)、やや甘口の白(11%)を生産。仙台産ブドウを100%使ったワインとしては第1号となる。赤、白ともにフルーティーな味わいが特徴という。
原料のブドウは秋保町馬場の南向き斜面約1ヘクタールの畑で栽培し、赤ワイン用のキャンベルと白ワイン用のナイアガラの2種類計約1.7トンを昨年9月に収穫した。
同園の板橋次男代表(67)が2009年に最初の苗を植えてから世話を続け、7年越しで商品化を果たした。「ようやく出荷にたどり着いた。新鮮なブドウを使い、香り豊かで後味にやや酸味も残るワインができた。地元で顔の見える皆さんに飲んでほしい」と話す。
仙台国税局の調べでは14年3月末現在、東北ではワインなどの果実酒醸造所が宮城以外の5県に計40カ所ある。仙台市によると、市内で生食用のブドウを大 規模生産している農家もないという。天候や地形が適した所が少ないのが理由とされるが、「稲作重視の農家が多かったため」との指摘もある。
秋保ワインは赤200本、白1200本を製造した。ともに1本720ミリリットル入りで価格は赤3000円(税別)、白2500円(同)。秋保葡萄園で販売している。連絡先は板橋代表090(1499)0151。

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