「納得はしていないが、時計の針を戻すことはできない」村井知事が半導体工場撤退問題を語る

SBIホールディングスと台湾の半導体受託生産大手、力晶積成電子製造(PSMC)の提携解消で、宮城県大衡村への半導体工場建設計画が白紙となった問題を巡り、村井嘉浩知事は9日の定例記者会見で、PSMC側から撤退理由の説明を受けたことに関し、「県民の大きな期待があった。納得はしていないが、時計の針を戻すことはできない。これで一区切りと考えている」と述べた。

 村井知事は7日に県庁を訪問したPSMCの役員と約1時間、会談した。PSMC側が日本の補助金交付の要件を満たすために長期的な操業を保証すると、台湾の証券取引法に違反すると釈明されたという。

 知事は「SBIとPSMCの両者の言い分が異なることで、解消につながった。どちらに責任があるのか追及しても意味はない」と強調。海外企業を誘致する際の教訓について「今回の例を提示しながら慎重に確認していく」と述べた。

 県は本年度一般会計当初予算に「みやぎシリコンバレー形成支援事業」と名付け関連費計3億2000万円を計上した。県によると9月末時点で1億4000万円は執行済み。

 知事は「今後も東北大と連携し、半導体の人材育成などを継続していく。税金が無駄になったということはない。大きな穴が開いてはいない」と主張した。

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