「終身雇用難しい」発言相次ぐ 経済団体やトヨタ社長

終身雇用の維持は難しい。

経済界から、発言が相次いでいる。

戦後、雇用システムの柱の1つとして、日本の経済成長の原動力ともされてきた終身雇用。

多くの日本企業が採用してきたこの制度をめぐり、経済界トップから、根幹を揺るがす発言が相次いでいる。

経済同友会・桜田謙悟代表幹事「昭和の時代は、大変よく機能したと思う。ただ、経済そのものが大きく変革してしまった中で、終身雇用という制度をとらえるとすれば、やはり『制度疲労』を起こしている可能性があるので、(今後)もたないと、わたしは思っている」

経済同友会の桜田代表幹事は、新卒一括採用や年功序列とともに、終身雇用を重視した雇用制度を考え直すべきとした。

また、日本自動車工業会の豊田会長も、現状のまま終身雇用を続けることの難しさを指摘した。

日本自動車工業会の豊田章男会長「雇用をずっと続けている企業、税金をずっと納めている企業に対して、(終身雇用の)インセンティブはあまりない」、「なかなか終身雇用を守っていくのは、難しい局面に入ってきたのではないか」

一方、経団連の中西宏明会長も、「終身雇用を前提とすること自体が限界になる」、「だめになりそうな事業を、雇用を維持するために残すということをすると、雇用されている方にとって一番不幸」として、終身雇用が転機を迎えているとしている。

経済界から浮上した、「終身雇用見直し」論。

働き方が多様化する中、日本型の雇用制度は、大きな局面を迎えている。

終身雇用について、働く人たちはどう思っているのか。

街で聞いた。

サービス業(50代)「(終身雇用しないとなったら不安?)そうですね。わたしも年齢を重ねているので、(終身雇用が)なくなると悲しい」

保守管理業務(20代)「終身雇用にこだわる必要はないのでは。海外は、終身雇用を重視していなくて、転職とか普通にやっているので、そういうのをまねてもいいのでは」、「(終身雇用されるつもりで会社に入っていない?)今のところが嫌になったら、別のところ行ってもいいかな」

サービス業(50代)「(終身雇用で)きたので、最後までやってほしい。30年ぐらい働けると思っていたのが、『あしたから来なくていいよ』と言われたら、あしたから食べるお金なくなっちゃう」、「今まで安い金で、その何倍も働かされて、パッと切られたら、ばかばかしい」

会社経営(30代)「1回雇ったら、会社側からは二度と外に出せないので、向こうにしがみつかれると、雇用し続けるしかない。(終身雇用がなくなり)実力でお金を稼いでいく能力が上がっていくのであれば、非常に良い環境かなと思います」

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