政府は渋滞緩和のため、高速道路の料金を時間帯などで変える「ロードプライシング」を2025年度以降、全国へ本格導入する方針を固めた。5月6日、読売新聞が報じた。
ロードプライシングは特定の時間や区間で利用料金を上げ下げして、交通量を調整する施策。現在は、千葉県木更津市と川崎市を結ぶ東京湾アクアラインで2024年度末までの社会実験としておこなわれている。
アクアラインでは、ETC(自動料金収受システム)搭載の普通車で通行料は800円だが、上り線(川崎方面)限定で、混雑することが多い土日・祝日の午後1~8時は1200円に引き上げる一方、午後8時~午前0時は600円に抑えている。
報道によると、政府内では、2025年度にアクアラインで料金の変動幅を広げ、2026年度から順次、路線を拡大させる案が浮上している。
政府が6月に策定する「骨太の方針」に盛り込み、8月頃から対象エリアなどの議論を始める。その後、高速道路各社との協議で具体的な料金体系を定めるという。
「そもそも高速料金は将来的には無料化が原則です。ところが、2023年5月末、2065年までとしていた高速道路の料金徴収期限を50年延長し、2115年までとする改正道路整備特別措置法が参院本会議で可決、成立。半永久的に料金徴収が続くことになりました。
一方、首都高速では2022年4月から、0時~4時の深夜帯の料金を20%割引する反面、上限料金が普通車で1320円から、1950円まで引き上げられています。
阪神高速でも2024年6月1日から、深夜割引を導入する反面、上限料金が普通車で1320円から1950円まで引き上げられるため、実質値上げという声が上がっているのです」(経済担当記者)
今回、政府が「ロードプライシング」を2025年度以降、全国へ本格導入する方針を固めたことに、SNSでは、疑問視する声が多く上がっている。
《大体が高くなるんじゃ無いの!!そもそも、回収が終わったら無料になるんじゃなかった?》
《高速道路の料金、時間帯による変動制に…って結果的にステルス値上げパターンやん》
《混む時間を選ぶのには理由がある。時間をずらせない人にとって単なる値上げ。何が骨太だよ》
続く実質値上げで、無料化なんて夢のまた夢。国交省は、高まる自動車ユーザーの不信を払拭できるだろうか。