「美味しんぼ」鼻血描写に環境省が見解発表「多発は考えられません」

 環境省は8日、先月28日発売の『スピリッツ22・23号』に掲載された『美味しんぼ』(雁屋哲作・花咲アキラ画)で、福島第1原発から戻った主人公らが鼻血や疲労感に襲われたとする描写があったことで、不安の声が寄せられたとして、公式サイトで見解を発表した。
 同省の環境保健部は、福島第1原発の事故による被ばくによって「確定的影響の1つとされる疲労感や鼻出血といった症状が多数の住民にあらわれているのではないかとご不安の声をいただきました」と報告。それを受け、「このような不安による、不当な風評被害が生じることを避けるとともに、福島県内に住んでおられる方々の心情を鑑みて、見解をお示しいたします」とした。
 原因不明の鼻血が出るといった点については「東京電力福島第一原子力発電所の事故の放射線被ばくが原因で、住民に鼻血が多発しているとは考えられません」といい、「国連(原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR(アンスケア))が、これまでの知見に基づき公表した『2011年東日本大震災と津波に伴う原発事故による放射線のレベルと影響評価報告書』(平成26年4月2日公表)によれば、住民への健康影響について、『確定的影響は認められない』とされています」と発表した。
 『美味しんぼ』では、福島第1原発から戻った主人公らが鼻血や疲労感に襲われたほか、双葉町元町長の井戸川克隆氏が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです」などと発言していた。

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