ソニーは9月13日、携帯型音楽プレーヤー「ウォークマン」の新製品3シリーズを10月8日から順次発売する、と発表した。旗艦モデルと位置づける「Zシリーズ」(市場想定価格2万8000~4万3000円前後)には米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を初めて搭載。ラインアップを広げたことで、米アップルの「iPod(アイポッド)」とのシェア争いが一段と激化しそうだ。
「Zシリーズ」は高音質技術を進化させたほか、大きなタッチパネル画面で直感的な操作が可能。音楽だけでなく映像やゲームも楽しめ、「アイポッドタッチ」の対抗機種になりそうだ。このほか音質にこだわった「Aシリーズ」(2万~3万5000円前後)や、8色とカラーバリエーションが豊富な「Sシリーズ」(1万4000~2万円前後)を展開し、幅広い年代層を取り込みたい考えだ。
調査会社BCNによると、携帯型音楽プレーヤーの国内販売台数シェアで、ウォークマンが昨年12月にアイポッドを抜いて首位を奪った。今年に入ってもその座を守り続けており、ウォークマンがアイポッドに10ポイント以上の差をつける月もある。
■アップルも新商品で対抗か
一方、アップルは毎年秋にアイポッドの新製品を発表している。現時点では発表予定はないものの、新製品が登場すれば巻き返しは必至だ。
ウォークマンがアンドロイドに対応したことで、携帯型音楽プレーヤー市場はスマートフォン(高機能携帯電話)向けOSで競合するアップルとグーグルの“代理戦争”の様相も呈してきた。
BCNの森英二アナリストは「今の流れが続けばソニーが年間でも首位となる可能性がある」とアイポッド全盛時代の終わりを予測している。
(SANKEI EXPRESS)
◇
≪任天堂 「モンハン」など投入で3DS販売拡大狙う≫
任天堂は9月13日、携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けに新作ソフト33本を投入する計画を発表した。人気ゲームソフトの「スーパーマリオ」シリーズを11月、「モンスターハンター」シリーズを12月にそれぞれ発売。有力ソフトをそろえ、不振が続く3DSの販売を年末商戦で拡大させる狙いだ。
東京都内で開いた新作ソフト発表会では、岩田聡(さとる)社長(51)が「過去に例がないくらい充実したラインアップがそろった。3DSをしっかりと普及させる」と強調。12月10日にカプコンの新作「モンスターハンター3(トライ)G」を発売するとともに、3DS向けに「モンスターハンター4」の開発を進めていることも明かし、巻き返しに自信をのぞかせた。
さらに、本体がピンク色のタイプを10月20日に追加発売すると発表。3DSは従来の「ニンテンドーDS」シリーズに比べ女性の購入比率が低いため「男女でバランスよく普及させていく」(岩田社長)という。
だが、13日の東京株式市場で任天堂の株価は前日比5%余り下落。「ソフトに目新しいものはなかった」(国内大手証券アナリスト)と反応は薄い。
■株価上がらず失速傾向
ゲーム雑誌出版のエンターブレインによると、3DSは1万円の値下げを実施した8月の国内販売台数が約38万台と、発売直後の3月(約43万台)に次ぐ水準に回復した。任天堂は2011年度に世界で1600万台の販売目標を掲げているが、8月29日以降の1週間では国内販売が値下げ直後の約4分の1にまで落ち込み、再び失速傾向にある。
ライバルのソニーは新型携帯ゲーム機「プレイステーション Vita(ヴィータ)」を年末に投入する。3DSの販売が目標に届くかは予断を許さない。