「育休を1年取ったら殺すぞ」 町長“マタハラ”発言も 第三者委が“パワハラ”認定 愛知・東郷町

職員へのハラスメント疑惑が浮上していた愛知県東郷町の町長。パワハラやセクハラが複数あったと22日に第三者委員会が認定し、「育休を1年取ったら殺すぞ」など新たな発言も明らかになりました。

記者(22日午後 愛知・東郷町)
「きょう調査結果が出されるが?」

カメラに目を向けず庁舎の中へと向かった、愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)。数々のハラスメント疑惑が浮上するなか、22日に第三者委員会の調査結果が町に提出されました。

公表されたのは、29ページにわたる調査報告書。そこには「108名が自分自身が経験したと回答」と書かれていました。東郷町の職員ら108人がハラスメントを受けたと訴え、このうち複数が認定されたのです。

内容はパワハラを中心に、セクハラマタハラなど多数。さらに、新たな発言も明らかになりました。

まず、パワハラについては…。

「お前らの脳みそは鳩の脳みそより小さい」
「川に落ちて流れていってしまえ」
「ポンコツ1号・ポンコツ2号」

こうした発言について井俣町長は「がっかりした気持ちを伝えるためで、怒鳴ってはいない。ポンコツ1号・2号については、職員の出してきた提案をそのように表現した」などと説明したということです。

次に、セクハラについては…。

「○○さんが僕の愛人だとするでしょ」
「いつ子ども作るの?」

問題となっていた、着ぐるみを着た女性職員に抱きついたことについても、セクハラに該当するとしました。

そして、男性へのマタハラ発言も。

「育休を1年とったら殺すぞ」
「育休を1年とった職員がいたが出世はできないな」

井俣町長は「男性は育休をとっても妻のためにはなっていない、育児をしていないという意味の発言をした」などと説明したということです。

   ◇

就任以来、約6年間にわたり“ハラスメント”行為を繰り返していたと認定された井俣町長。今月、私たちはパワハラを受けた職員に話を聞きました。

パワハラ受けた職員
「恐怖心もありましたね」

去年10月、病気で大きな手術を控えていた際に町長から…。

井俣町長(NNNが入手した音声データ 去年10月)
「お前の家、何宗? 葬式やるって言ったら何宗?」

職員
「死ぬこと前提じゃないですか」

井俣町長
「お前、死んだら香典いくらくらい?」

井俣町長は「冗談のつもりだった」としていましたが、第三者委員会は「冗談や笑い話として受け止められる話題としては一般的ではない」として、“悪質なハラスメント”だとしました。

パワハラを受けた職員
「心のなかでは非常につらかったです」

第三者委員会は、ハラスメントが起きた背景として、井俣町長の知識や理解が不足していると指摘しました。

22日夜、カメラの前で口を開いた井俣町長は。

――報告書はご覧になった?

井俣町長
「まだ全部見られていません」
「近々に会見をさせていただきたい」

これまで、一連の発言について謝罪しつつも自身の進退については、第三者委員会の結果をもって判断したいとしていた井俣町長は26日の臨時議会の前後で会見をする予定です。(4月22日放送『news zero』より)

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