「自動ブレーキ」最下位の車は… 国交省が11車種をテスト

国土交通省が国内の自動車メーカーの「対歩行者」の自動ブレーキを初めてテストし、結果を公表した(2016年12月1日)。今回、試験を行ったのは富士重工業(スバル)4車種、トヨタ自動車2車種、レクサス2車種、ホンダ、マツダ、スズキ各1車種の合計11車種。いずれも「対車両」や「はみ出し警報」などを合わせた予防安全性能の総合評価で最高ランク(ASV++、71点満点中46点超)を獲得し、最高得点だったのはマツダアクセラの70.5点だった。

2位はスバルフォレスターの69.5点、3位はスバルインプレッサの68.9点、4位はスバルレヴォーグ/WRXの68.5点とスバルが上位を占め、5位はトヨタプリウスの68.1点、6位はスバルレガシィとレクサスRXが68.0点で並んだ。最下位の11位はホンダフリードの58.4点だった。

「自信のあるメーカーしか応募してこなかった」

国交省は2014年から「対車両」の自動ブレーキの性能評価(自動車アセスメント)を行い、結果を公表してきた。今回から試験車両を時速10~60キロの範囲で5キロ刻みで走らせたうえ、路上に人形を飛び出させて、自動ブレーキで止まれるかを測定した。人形は大人(身長180センチ)と子供(同120センチ)の2種類があり、衝突すると減点となる。

国交省の自動車アセスメントは年度ごとに前期と後期に分けて行い、年度通算となる後期は毎年5月ごろに結果が公表される。今(16)年5月に発表した15年度の後期アセスメントは、販売台数が多い車種など43車種を国交省選定して実施した。これに対して、対歩行者自動ブレーキ初の試験となる今回(16年度前期試験)は、応募があったメーカーの車両のみをテストしたため、11車種と対象車種が少なかった。

「自動車事故対策機構」HPで動画を視聴できる

今回テストした11車種が、いずれも総合評価で最高ランクとなったのは、「自信のあるメーカーしか応募してこなかったから」(政府関係者)というのが実情だ。とりわけスバルは運転支援システム「アイサイト」の安全性を証明するためにも、2016年10月発売の新型インプレッサなど4車種を投入。「対歩行者」項目追加で初の首位を狙ったが、僅差でマツダアクセラに敗れた。

実際の試験は、国交省が独立行政法人「自動車事故対策機構」に委託して行った。対歩行者自動ブレーキなど試験の模様と結果は、同機構のホームページで動画を視聴できる。国交省によると、交通事故の死者のうち、歩行者が占める割合は37%と最も高い。国交省は対歩行者自動ブレーキの試験に加え、乗用車3車種と軽自動車1車種の衝突安全性能の結果も合わせて公表している。

 

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