能登半島地震からの創造的復興を考えるシンポジウム(環境省、国連大学など共催)が11日、都内で開かれ、東日本大震災の被災地から宮城県南三陸町の佐藤仁町長が豊かな自然環境を生かした復興まちづくりの経緯を語った。
オンラインを含めて約450人参加。佐藤町長は震災復興計画の柱としてエコタウン構想を掲げた理由について、「電気のない避難生活を経験したからこそ、エネルギー問題に取り組むべきだと考えた」と振り返った。
海洋環境に配慮した町の養殖カキが国際認証を取得した成果にも触れ「生産性が上がり、後継者が浜に戻って活気が出てきた」と説明した。能登半島地震の被災地に向けて「一歩一歩、復興に向けて進んでほしい」とエールを送った。
石川県珠洲市の泉谷満寿裕市長も登壇し、「道路や建物は壊れても、これまでの自然、文化の保全活動は決して壊れない」と強調。復興に向け、2011年に世界農業遺産に登録された「能登の里山里海」を活用する重要性を示した。
パネル討論には、能登半島の伝統工芸の担い手や旅館代表に加え高校生が参加し、復興計画に若者の意見を取り入れる工夫が必要との意見が出た。