「良医」育成を前面に 東北福祉大と仙台厚生病院構想

仙台市内で医学部の新設を目指す財団法人厚生会仙台厚生病院(仙台市青葉区)と東北福祉大(同)が合同で設置した基本構想検討委員会は27日、臨床重視と地域医療貢献を新医学部の基本方針とする最終報告をまとめた。
 報告は地域に根付き、弱者を助ける強い意志や社会常識、心優しさを兼ね備える「良医」の育成を前面に打ち出した。診断学と治療学の研究に重点を置き、東日本大震災によって発生が予想される各種疾患についての長期的調査、治療の研究を推進する。
 他大学との連携による教員や人材の確保、新設も含めた施設整備に関する方針も盛り込んだ。
 東北の高校生を対象とした入試の地域枠や奨学金制度を設け、卒業生が一定期間、地域医療を義務的に担うようなシステム構築も掲げた。医師国家試験の合格率は全国平均の90%以上を目指す。
 臨床実習を行う付属病院の病床数は800~1000超の確保を目指す。国が学部新設を認めた場合、2014年4月の開設を視野に入れて準備を進める。厚生会の目黒泰一郎理事長は「被災地にとって医学部新設は、将来の地域医療再生という希望になるはずだ。実現に向けた準備作業を進めたい」と話した。

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