「蒸れるしダサい…」自転車ヘルメット、高校生9割は非着用派 1日から努力義務化 会社員やシニアの需要は急増

改正道交法の施行に伴い、4月1日から全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化される。事故が起きたときにけがを軽減する狙いだが、着けていなくても罰則はない。あなたは、かぶりますか? 通勤や通学などで自転車を使う兵庫県姫路市内の人たちに着用の予定を尋ねた。(森下陽介) 【写真】神姫バスにスポーツ自転車積載OK  3月下旬の朝、同市今宿の琴丘高校。1、2年生の計約480人が次々と校門に吸い込まれていく。自転車通学の割合も多いが、ヘルメットを着けている生徒は見当たらない。  「かぶらないです。髪形が崩れたら嫌なので」。自転車を止め、すぐに小さな手鏡で前髪を整え始めた1年の女子生徒が即答する。2年の男子生徒も「これからの時期は蒸れるし、ダサいイメージがあるから着けない」とする。  別の男子生徒は「車とぶつかりかけてヒヤッとしたことがある。丈夫なものを買うつもり」。だが着用に前向きなのは少数派で、この日、70人に聞いて着用すると答えたのは4人だけだった。9割に当たる66人は着けないと回答した。  警察庁の統計では、自転車事故による死者の約6割は頭部損傷が致命傷だったという。ヘルメットを着用していたケースに比べて、非着用時の死者数は2・2倍に上る。  姫路市内でも中高年層を中心に需要は高まっている。自転車販売店「自転車デポ」(同市飾磨区上野田1)の源(げん)隆博社長は「自転車通勤時に着用を義務づける企業もある。昨年から、会社員や高齢者の需要が急増した」と話す。売れ筋の商品は在庫切れになり、製造元の生産も追いつかず、入荷は2カ月後。源さんは「体を守るためにも購入を勧めている」と話した。  店を訪れた同市の会社員の男性(42)は、今年から通勤時には必ずかぶって出かけている。「着け外しや持ち運びを煩わしく感じるけど、やっぱり命が大事。ママチャリにヘルメット姿は違和感があったけどすぐに慣れました」と笑っていた。

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