関西電力は17日、宮城県川崎町の風力発電事業計画を見直し、風車の建設予定地から蔵王国定公園を外す方針を明らかにした。「計画段階環境配慮書」では事業想定区域の南西側の一部が国定公園に入る。
16日あった県の環境影響評価技術審査会は、蔵王国定公園が予定地に含まれることを「異例」と指摘。「調べれば分かるはず。普通の事業者は避ける」と疑問視していた。
関電広報室は17日、取材に「審査会の意見を真摯(しんし)に受け止め、国定公園エリアに風車を建てないよう計画案を検討する」と答え、今後は「事業ができるかどうかも含め、地元の皆さまや関係行政機関と対話を続けたい」と述べた。
計画の見直しに対し、蔵王周辺の住民らでつくる「蔵王風力発電建設計画の中止を求める会」の佐藤大史共同代表は「配慮が最初から欠けたまま進んでいた印象だ。住民が声を上げていけば状況は変わるはず。眺望がどうなるか知りたい」と話した。
関電は20~25日に計6回、川崎町で住民説明会を開く。計画では町西部の前川地区の1600ヘクタールに最大で高さ約180メートル、直径約160メートルの風車23基を建設する。最大出力は9万6600キロワット。2028年度の着工、31年度の運転開始を目指す。