竹下亘復興相は8日、就任後初めて宮城県を訪れ、仙台市内で河北新報社のインタビューに応じた。東日本大震災の被災地で人口減少が目立つことに強い危機感を示し、「都会はインフラを整備し直せば人は戻ってくるが、過疎地はそうはいかない。懸命に復興を進めたい」と対策に取り組む決意を強調した。
(聞き手は東京支社・中村洋介、若林雅人)
-震災の風化が進む中、被災地以外の出身の大臣が誕生したことを不安に思う被災者もいる。
「今年は故郷の島根、隣県の広島でも災害があった。災害列島の日本では多くの国民が災害に遭い、東北の皆さんが心配している以上に震災への思いを持ち続けている」
「地方出身の私は過疎地が被災した時にどんな苦しみがあるか、よく分かる。震災発生時、半分も人が戻らない恐れがあると感じた。危機感を持ち続け、懸命に復興を進めたい。被災地の信頼を得られるよう仕事する」
-2015年度までの集中復興期間以降の財源をどう確保するのか。
「15年度中に必要な事業を見極め対応を練り直す。(必要な財源規模は)まだ分からない。確実なのは復興は5年で終わるわけではなく、必ずやり遂げるということだ」
-被災地には「集中」という言葉が消えることに心理的抵抗感がある。
「第2次集中復興期間、第2期でもいい。復興は内閣の1丁目1番地の政策だ」
-原発事故の影響が色濃い福島県では帰還を望まない人が増えている。
「岩手、宮城両県との事情の違いを真正面から受け止め、被災者一人一人に合った対応が必要だ。県や市町村と連携し、NPOなど民間の力も借り、心のケアも含めてしっかり支える」
-佐藤雄平福島県知事が引退を表明した。
「佐藤知事は古くからの友人。世界中で誰も経験したことのない苦労をし続けてきた。除染廃棄物の中間貯蔵施設も(建設容認の)重い決断を後回しにしなかった。深く感謝し高く評価したい」
「新知事が決まったらできるだけ早く会い、知事と二人三脚、心を一つにして福島の復興加速に汗をかくつもりだ」