経済協力開発機構(OECD)は3日、79か国・地域の15歳計約60万人を対象に2018年に実施した「国際学習到達度調査(PISA)」の結果を公表した。日本は「読解力」が15位(前回15年は同8位)、「数学的応用力」が6位(同5位)、「科学的応用力」は5位(同2位)と全3分野で順位を下げた。
今回の調査で3分野とも1位は中国(北京、上海、江蘇、浙江)、2位はシンガポール、3位はマカオと、アジア勢が上位を独占した。
日本の読解力の得点は、前回より12点低い504点。成績を6段階に分類したところ、最も低い層(408点未満)の割合が12年(9・8%)、15年(12・9%)、18年(16・9%)と増加しており、平均得点を引き下げた。
近年、スマートフォンなどを使った短文のやりとりなどが急速に広まっている。文部科学省の担当者は順位低下について「子供たちの言語環境が急激に変わり、読書などで長文に触れる機会が減った」としている。
日本の読解力は03年調査で数学的応用力とともに急落。「PISAショック」と呼ばれ、学習内容を減らした「ゆとり教育」の見直しにつながった。読解力は12年に4位と持ち直したが、15、18年と下落が続いている。
一方、科学的応用力の得点は529点(前回比9点減)、数学的応用力は527点(同5点減)で共に順位を下げたものの、依然としてトップレベルの成績を維持した。