よほど腹に据えかねていたのだろう。笑福亭鶴瓶(62)が“らしからぬ”発言で話題になっている。
6日放送のラジオ番組「笑福亭鶴瓶 日曜のそれ」(ニッポン放送)でのこと。大トリで出演した「笑っていいとも!」のグランドフィナーレ(31日夜)でのエピソードを引き合いに出し、トークを展開。新旧レギュラーが集まった舞台を振り返り、「あれ見てたら、バラエティーを中心にやってきたフジテレビの最後みたいに見えましたよね。こんなにぎょうさん集めてしもうて、あと何すんねん」と冗談めかしながら語ると、その後、話の矛先はいいとも後番組の「バイキング」に。視聴率に一喜一憂せず、共演者も積極的に番組づくりに関われという鶴瓶流のアドバイスだったが、さらに踏み込んでフジテレビの制作方針までぶった切ったのだ。
「終わる(番組を打ち切る)のは簡単やけど、アカンのよ、普通はね。僕ら何べんも終わってきましたけど、全然責任感のないエライさんが来て、“また同じメンバーで集まりましょう”と言うてはるんやけど、集まったためしがない。“社運をかけてやりました”とも言うといて、その社運どこへいった~ってね」
■「和気あいあいと番組を作る」
仕事でお世話になっているテレビ局に、ここまで毒づいたベテラン芸人の“真意”は何か。芸能評論家の肥留間正明氏はこう言う。
「鶴瓶という芸人は『家族に乾杯』(NHK)からも見て取れるように、現場の雰囲気を尊重しながら和気あいあいと番組を作りこんでいく人。自身の大きな転機ともなった『いいとも』の後番組ともなれば、感じるところも多々あるはず。今回のラジオでの発言は、外部の人間がしゃしゃり出るのは“ご法度”というのは重々承知の上で、今のフジテレビの姿勢に物申さずにはいられなかったということでしょう」
芸人、鶴瓶の異例ともいえるフジテレビ批判。その真意が伝わらなければ、「楽しくなければテレビじゃない」を謳(うた)った同局の伝統はついえることになる。