「買い物できない!」加茂地区 唯一のスーパー閉店で悲鳴…

仙台市泉区加茂地区の住民が仙台市に緊急の要望書を提出しました。地区にあった唯一のスーパーマーケットが2月24日に閉店し、高齢者などいわゆる「買い物弱者」への対策が喫緊の課題となったからです。

「よろしくお願いします」
仙台市に対し、「緊急」要望書を提出したのは、泉区加茂地区の住民です。
要望書では加茂地区唯一のスーパーマーケットが閉店したことで、地区の高齢者の買い物が困難になることから、早急な「買い物弱者対策」を求めています。
加茂地区で26年以上営業してきた「ヤマザワ加茂店」です。
閉店が決まり、最後の営業となった2月24日も、開店前から多くの人が並んでいました。

加茂地区の住民(76歳)
「買い物しながら、運動という感じで出てくる方もいるので、ヤマザワがなくなるのが残念」
加茂地区の住民(73歳)
Q.ほかのスーパーに買い物は?
「足が丈夫なら行けるけど、あとはバスを利用して。でも買ってくると荷物持ってくるのが大変」

泉区加茂地区。30年前は7547人もの人が住んでいましたが、人口減少が進み、現在の人口は5400人余り。このうち45パーセントが65歳以上と、高齢化も進んでいます。

記者
「こんにちは~」
武井弘美さん(80歳)
「こんにちは」

武井弘美さん(80歳)です。
3人の子供たちはそれぞれ独立、夫は5年前に亡くなり、今は一人で暮らしています。

武井弘美さん(80)
「インターネットとかやれる方は、いろいろ買って取ったりしているらしいけど。それもできないので…悲しいかな」

去年の年末に足を痛めた武井さん。日常の「買い物問題」は深刻です。

武井弘美さん(80)
Q.ほかの店には?
「ここからは地域的に下りになっていて、散歩がてら行くけど、帰りに荷物を持つと坂を上るのが大変」

小高い山を削り、造成された加茂地区は、どこへ行くにも坂道を通らなければなりません。
坂を下り、1キロから2キロほど歩けばスーパーは数軒ありますが、帰りは荷物を持って坂を上らなければならず、気軽に買い物に行ける環境ではありません。

武井弘美さん(80)
「足も悪くして、医者から動かさなきゃだめだと、じっとしていると固まるからって言われて」

スーパーが閉店する日も歩いて買い物に向かいます。

武井弘美さん(80)
Q.今後はどうしますか?
「仕方ないです。坂を下りて違う店に行きます」
Q.歩いて行く?
「バスで」

緊急要望に対し、仙台市は加茂地区で移動販売を行う事業者とのマッチング支援を行うと回答しています。

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